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離婚しても氏はそのままですが、子どもの氏の変更手続は必要ですか?
2022/11/07 離婚・相続
婚姻によって氏が変わった配偶者は、離婚によって旧姓に戻ります。
婚姻中の氏をそのまま使用したい場合は、離婚届提出から3か月以内に役所で「婚氏続称の届」を行う必要があります。離婚届出の時に一緒に婚氏続称の届出をする方が多い印象です。
このように離婚後も婚姻中の氏であり続ける場合、ご注意いただきたいのは、お子様の氏です。
例えば、田中さんという女性が、鈴木さんという男性と結婚することにより、婚姻によって「鈴木」の姓になったとします。お二人の間に誕生したお子様の姓は、現在の日本の法律では「鈴木」となります。その後、この夫婦は、妻がお子様の親権者となることを決めて離婚しましたが、妻は、旧姓の田中姓に戻ることはせず、鈴木姓のままであることを選択したという場合。
お子様も「鈴木」の姓。親権者である母親も「鈴木」の姓。
ということで、一見、子の氏の変更の手続をする必要はなさそうに思えます。
しかし、離婚前は、夫を戸籍筆頭者とする同じ戸籍に、夫、妻、お子様が入っている状態でしたが、離婚により妻は別の戸籍になります。たとえ、離婚届の際にお子様の親権者を母親と定めても、離婚届によって、お子様の本籍地も一緒に母親と動くということはありません。
つまり、「妻の戸籍」と「夫・お子様の戸籍」という状態になるのです。母親と子どもは同じ「鈴木」姓でも、戸籍が異なるのです。
このことにより法律上の不都合が生じる可能性はそれほどありませんが、ただ、お子様の戸籍が必要となった場合等に、夫の戸籍に入ったお子様の戸籍を取得する必要がある等、事実上の面倒事は起こり得ます。また、「親権者が母親なのであれば、母親の戸籍にお子様の名前があるのが自然では」と感じられる方もおられるかもしれません。
このため弊所では、離婚後も婚姻中の氏を使用することにされたとしても、お子様の子の氏の変更手続を家庭裁判所で済ませておいていただくことをお勧めしています。
離婚に伴う子の氏の変更手続は、通常はそれほど煩雑なものではありません。弁護士に依頼することなくご本人様にて家庭裁判所で手続を済ませられる方も多い手続です。
もちろん、「忙しくて家庭裁判所に行く時間がなかなかない」、「出来たら弁護士に依頼したい」ということでしたら、弁護士が代理人として対応させていただくこともできます。
離婚後の各手続のひとつとして済ませておいていただけたらと思います。
りんどう法律事務所(大阪)