ブログ・事例

隣の家の竹木の枝がこちらの敷地に入ってきて困っています・・・。

2022/08/22 ブログ/事例

隣地関係のトラブルでよくあるご相談のひとつに、

 

隣地の竹木の枝がこちらの敷地に入ってきた。敷地内を歩くのにとても邪魔になっている。どうしたらよいか?

 

というものがあります。

 

 

私が司法試験の勉強をしているときは、

 

たとえ、枝がこちらの敷地に入ってきて邪魔でも勝手に切除してはダメ。植木の所有者(隣地の住人)に切除するように請求しないといけない。

 

他方、根っこが境界線を越えてこちらの敷地に入ってきたら、勝手に切除してもよい。

 

と学びました。なぜ、枝はだめなのに、根っこはいいのだろう・・・と漠然と興味を抱いたのは懐かしい記憶です。

 

 

 

ですが、なんと、これを定めている民法233条が改正されました!(施行は令和5年4月1日の予定です。)

 

 

改正後は、「竹木の所有者に対して枝の切除を催告したにもかかわらず、相当の期間内に切除しないときは、越境された側の土地所有者は当該竹木の枝を切除できる」ことになります。

 

 

とはいえ、もちろん、どんな場合でも勝手に切除できるわけではないでしょう。

 

切除したいと思うほどに隣地の竹木の枝が越境してきた時には、

・どの程度越境しているかが明らかになる写真や動画を保存する(もちろんプライバシーを侵害しない方法で)

・こちら側にとって支障がある状態かどうかを冷静に確認する(条文上、「越境された側に支障があること」は要件となっていませんが、支障がないような程度の越境で切除してしまえば、場合によって「権利の濫用」となってしまうかもしれません)

・竹木の所有者に切除を求める通知を記録が残る形で送る

などの対応を取ることが望ましいと思います。

 

それ以外にも慎重な対応が必要となるケースもありますので、隣地の竹木でお悩みを抱えておられる方は、事前に弁護士に相談されることをお勧めいたします。

 

 

りんどう法律事務所(大阪)