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ウェブ会議システムによる調停とは

2022/08/04 離婚・相続

一部の家庭裁判所ではウェブ会議システムによる調停が始まっています。

 

 

 

 

家庭裁判所で調停を申し立てるとき、どこの家庭裁判所に調停申立を行うことになるかというと、・・・原則相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

 

 

例えば、北海道で生活している妻が、沖縄で暮らす夫に離婚調停を行うという場合、妻は、沖縄の家庭裁判所に離婚調停を起こす必要があるのです。

 

 

 

私が弁護士になった頃は、相手方となる方が遠方に住まわれている場合、調停期日の度に、その遠方の裁判所まで行かなければなりませんでした。

 

 

ひと月に1回程度、遠方の家庭裁判所に出向かないといけないというのは、相当な負担となります。交通費の金額も高額になりますし、調停に一緒に出席されるご依頼者様も、仕事を丸一日休まないといけないことになり得ます。

 

 

このため、なかなか調停手続に踏み込めないという方もおられました。

 

 

 

 

 

その後しばらくして、家庭裁判所が「相当」と認めれば、電話会議システムによる調停出席が可能となり、事務所から電話で調停に参加するということができるようになりました。これにより、毎回、遠方の裁判所に出向かずとも、弁護士の事務所から電話で調停に出席するということが可能になりました。必ずしも、全ての調停期日をこの電話会議システムで進めるというものではありませんでしたが、それでも、調停期日ごとに裁判所に行く必要がなくなるというのは、当事者の負担軽減に大きくつながりました。

 

 

 

 

そして・・・・。

 

 

コロナ禍の今、大阪家庭裁判所(本庁)では、ウェブ会議システムが始まりました。電話会議システムと異なり、インターネット回線を使って画像を見ながらお話ができるようになったため、話がしやすくなったようにも感じます。

 

家庭裁判所から「ウエブ会議システムでやることが相当」との判断を受ければ、当事者のいずれかが遠方の場合であるほか、裁判所に行き辛い方などの場合も利用できる可能性があります。

 

 

ウェブ会議システムを利用するためには裁判所が相当と認める必要があり、申請しても必ずしもウエブ会議システムが認められるわけではありませんが、配偶者が遠方に住んでいる、裁判所に行き辛いといったご事情のある方は、調停申立時にウェブ会議システムによる方法で進めてもらえないか、裁判所に相談してみていただければと思います。

 

 

りんどう法律事務所(大阪)