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親権者「指定」の手続と、親権者「変更」の手続は異なります。
2022/08/09 離婚・相続
離婚のご相談の中で「子どもの親権をどちらが取得するか」ということが問題となることがあります。
「親権を取得する」「親権をしない」という、いわば100か0かという対立になることから、子どもの親権が問題となるケースでは、双方当事者の感情的対立も激しくなることがあります。
「親権を手放す」=「お子様との関係が切れてしまう」という構図になりがちなことも多く、今まで一緒に暮らしてきたお子様との生活が今後どうなるのかと不安な気持ちになられる当事者の方の想いも本当によくわかります。
子どもの親権者が決まらなければ、双方当事者とも離婚について争いがなくとも離婚届を出すことはできません。
このため、親権問題に決着がつかなければ、家庭裁判所(時に地方裁判所や高等裁判所)の手続が必要となる場合があります。
そう思うと、気持ちが沈んでしまう方も多くおられることでしょう。
しかし、親権問題は、本当に大事なことです。安易に結論を出す必要はありませんし、安易に結論を出すべきでもありません。
「離婚届の段階では相手方の望み通りに相手方を親権者として離婚届を提出したが、その後色々考えた結果これを撤回したい」というご相談をお受けすることもありますが、親権者を「決める」ことと、一度決まった親権者を「変更」することでは、手続が異なります。一度決めたことを「変更する」にはそれ相応の事実や主張が必要となることもあります。
離婚交渉で疲弊することも多いでしょう。間に挟まったお子様のことを想い「自分が我慢すれば」と思われる方もおられると思います。
しかし、離婚届用紙の親権者欄には、それ相応の重みがあります。お子様のこれからを決める大切なことです。一人で抱えられるのがしんどすぎる場合には、弁護士を頼っていただければと思います。
ご自身とお子様にとって自信の持てる判断が何なのか、安全な場所でひと呼吸置いてご検討いただけることを願っております。
りんどう法律事務所(大阪)