りんどう法律事務所のブログ

2020.04.02

家族といえども・・・。

テレワーク、在宅勤務が積極的に導入されている今日この頃。

きっかけは、新型コロナの感染拡大を防ぐためという消極的な目的ではありますが、ライフスタイルの多様化に鑑みれば、様々な働き方があるのはとても自然なことであり、人それぞれが自身の生活を充実させるためにも、柔軟な働き方を積極的に取り入れていくというのは、むしろ望ましいことではないかと考えます。

 

ただ、自宅で過ごす時間が増えることにより、パートナーへの違和感や、親子間での衝突が増えてしまうこともあるのかもしれません。

 

信頼関係の上でスタートさせた家族であっても、相手は自分とは異なる人間。

 

時には、相手の一挙手一投足にイライラさせられることもあるでしょう。

 

相手に非があるということもありますし、もしかしたら、自分が少しイライラしていたということもあるのかもしれません。

原因を探り始めれば、「自分はこうなのに」「相手がこうしたから」と、余計にイライラが募ったり。

 

そんな時、どうやり過ごしたらいいか。

本当に難しいです。

 

「非がある相手には非を認めさせたい」。そう思う時だってもちろんあります。

家族であっても、相手は自分とは違う人間で、相手にだって心はあります。そして、自分にだって心があります。

自分の気持ちと相手の気持ちが異なることはたくさんあります。

 

意外かもしれませんが、「どちらが悪い」という結論は、急いで出すべき事柄であることはそんなに多くはありません。

 

もし、同じ空間に長くいることが苦しい時には、とにかく、一時的にそっと距離をとるというのもひとつだと思うのです。

 

家族だから、ずっと一緒に向き合わなければならないわけではありません。

 

自分を守るため、相手を守るため、一時的に、心理的、物理的、空間的に、とにかく何でもいいので距離をとる。そうやって守られるものがある。この仕事を通して日々気付くことです。

 

それから、最後に。

 

心理的もしくは物理的距離では解決できないことも、もちろんあります。

 

どうしても辛い時、そんな時には我慢せず、あらゆる電話相談等を活用し、その場所からの逃げ方を必ず誰かに相談してください。

 

どんな時であろうとも、悩んでいるあなたに寄り添いたいという思う人は、絶対にいるはずです。

 

りんどう法律事務所

大阪市北区西天満3丁目13-18島根ビル3階

2018.02.08

「民事信託」は、検討の価値あり!です

近頃、耳にするようになった「民事信託」。

 

この信託、簡単に表現すれば、

 

自分の財産を受託者に預けて、管理、保全してもらう。

 

という制度です。

 

典型的な例としては、

 

賃貸不動産を所有している人(委託者)が、その不動産を受託者に一定期間移転させて、受託者から、その賃貸不動産から収益できる賃料を「受益者」に支払う

 

という場合があります。

 

この「受益者」に、委託者、すなわち、もともとの賃貸不動産の所有者を定めることができます。

 

このケースで民事信託(家族信託)を使うと、どういうメリットがあるのでしょうか?

 

それは、ずばり、自分ではしんどい財産の保全や管理を人に依頼できるということです!

 

例えば、賃貸不動産の管理を管理会社に任せていても、管理会社は賃料の収受、督促などはしてくれても、賃貸不動産の大規模修繕等についてまで対応してくれるとは限りません。

 

大規模な修繕となれば、銀行からの借入や業者の選定なども必要になりますが、賃貸不動産の所有者にはそれらが負担になるというケースもあります。

 

中には、高齢にさしかかった方から、銀行の手配や業者の取り決めなどが大変とか、不動産を売ってくれという業者からの勧誘に対応するのが大変などというご相談もあります。

 

こういう場合、

 

不動産を受託者に移転させ、受託者が、大規模修繕等を含めた管理全般の対応を行い、もともとの所有者であった委託者は、受託者から、収受した賃料から経費を差し引いた利益を得るという、信託契約を設定することにより、

 

不動産の管理の負担から逃れることができる一方で、賃貸収入を得て、老後の生活も支障なく過ごせるということも可能となります。

 

この民事信託。

 

信託銀行などでの取り扱いもありますが、使い勝手が悪かったり、高額な費用がかかったりということもあります。

 

家族の中でこの契約を設定することにより、各段に費用を抑えることも可能となりますし、信託契約の内容によっては、次世代への資産の移行をスムーズに行うこともできるようになります。

 

上に記載した以外にも、色々な信託契約があり、それにより、成年後見制度等では対応できなかったことも可能となるケースがあります。

 

信託について興味のある方、ご自身の財産管理等にご不安がある方、将来の相続についてご不安のある方などは、弁護士までご相談ください。

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

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2016.03.03

認知症の方を介護する親族に、賠償責任???

平成28年3月1日、最高裁判所で、認知症の方が線路内に入ったために生じた列車事故に関する損害賠償請求事件についての判決が出ました。

 

判決前から報道されており、この最高裁判決についても新聞などで大きく取り上げられたためご存じの方も多いと思います。

 

事実の概要は以下の通りです。

 

●Aさんは事故発生の7年ほど前から認知症の症状がみられるようになった。

●しばらくしてAさんの家族で話し合い、Aさんの妻(Bさん)と、Aさんの長男(Cさん)の妻(Dさん)がAさんの介護をすることになった。

●BさんはAさんと同居、Dさんは、Aさんの近くに引っ越しをした。Cさんは週末に(事故の直前にはひと月に3回程度)Aさんの自宅を訪れていた。

●Aさんの症状は進み、一人で外出をして行方不明になり保護されるということもあった。

●家族らは、Aさんが外出できないように門扉を施錠していたが、Aさんがいらだって門扉を激しく揺するなどして危険だったので、施錠は中止していた。

 Aさん宅には、居宅部分と、Aさんが経営していた事務所部分との2か所の出入り口があり、家族らは、玄関にセンサーを付けてAさんの外出がわかるようにしていたが、そのセンサーの電源は、事故当時(それ以前から)切られたままになっていた。

●事故当日、Cさんが別の部屋でAさんが汚した片付けをしている間、Bさん(当時85歳)が少しまどろんでしまった隙に、Aさん(当時91歳)は外出をしてしまい、踏切内に立ち入り列車にはねられて亡くなった。

●鉄道会社は、事故により振り替え輸送等が必要となったことから、その費用の一部をBさんとCさんに請求を行った。

 

 

ここでまず前提として、なぜ、BさんとCさんが損害賠償請求をされたのかということを確認しておきます。

 

民法709条は、故意または過失による不法行為に基づく損害賠償責任を定めていますが、

 

民法713条は、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない」と定めています。

 

本件において、Aさんは、事故当時、認知症の症状が進行し責任を弁識する能力はありませんでした。なので、民法713条によれば、Aさんは責任を負いません。

 

しかし、民法714条1項は、民法713条の規定により「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定めています。

 

そこで、鉄道会社は、妻であるBさんと息子であるCさんに、「監督義務者」とし、損害賠償請求を行ったのです。

 

 

第一審は、Bさん、Cさんともに、「監督義務者であり、その義務を行った」として双方に対する損害賠償請求を認めました。

 

 

第二審は、長年Aさんと別居をしているCさんには監督義務はないが、Bさんには「夫婦だから協力扶助の義務がある、だから監督義務がある」として、Bさんに対する部分の損害賠償請求を認めました。

 

 

この第二審の判決が出たときもメディア等で報道されており反響の大きさを感じました。当事務所のご依頼者からこの判決についての感想を頂いたこともありました。

 

 

Bさんは当時85歳。妻だからという理由のみで認知症のAさんについて監督義務を負わされ、そして高齢のBさんが少しまどろんだ隙に起きた事故の責任を問われる。

 

 

「家族の介護」を抱える方たちからすれば、あまりにも無慈悲で介護の現場を知らない判決ではないか。そうお話をされる方も多くおられました。

 

 

もし妻や家族だからという理由で、認知症の方の監督義務を負うことになってしまうのであれば、家族たちに残された介護の方法は、「何としてでも部屋に閉じ込める」「施設に入ってもらう」というような選択肢しか残らなくなってしまいます。

 

 

しかし、んな世の中で良いのでしょうか。

 

政府は、ここ最近、認知症の方が住み慣れた地元で暮らしていけ施策を進めています。にもかかわらず、法律で雁字搦めになってしまえば、家族は、そして認知症の方自身は、「自宅で家族とともに自分らしく暮らす」ということに恐怖心さえ抱きかねいないことになります。

 

そんな疑問を、多くの方が抱かれたはずです。

 

 

そんな中、最高裁は、Bさんに対しても、妻だからという理由だけで監督義務者となるわけではない、と判断をしました。

 

報道によれば、この判決に頷かれた方も多いようです。

 

 

ただ、一方で、最高裁は、この以下のようにも考えを示しました。

 

「法定の監督義務者に該当しない者であっても、

 

責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、

 

第三者に対する加害行為の防止に向けてその者が当該責任無能力者の監督を現に行いその態様が単なる事実上の監督を超えているなどその監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められる場合には、

 

その者に対して、損害賠償責任を問うことができるとするのが相当であり」、

 

 

ある者が、精神障がい者に関し、このような法定の監督義務者に準ずべき者に当たるか否かは、

 

①その者自身の生活状況や心身の状況などとともに、

 

②「精神障がい者との親族関係の有無・濃淡、同居の有無その他の日常的な接触の程度、精神障がい者の財産管理への関与の状況などその者と精神障がい者とのかかわりの実情、精神障がい者の心身の状況や日常生活における問題行動の有無・内容、これらに対応して行われている監護や介護の実態など諸般の事情を総合考慮して、

 

③その者が精神障がい者を現に監督しているかあるいは監督することが可能かつ容易であるなど衡平の見地からその者に対し精神障がい者の行為に係る責任を問うのが相当といえる客観的状況が認められるか否かの観点から判断すべきである。」

 

 

最高裁は、その上で、事故当時85歳であり、要介護1の認定を受けていたBさんは、Aさんを「監督することが現実的に可能な状況にあったということはできず」、監督義務を引き受けていたとみるべき特段の事情があったとはいえない、と判断しました。

 

 

 

 

今後、この「監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情」がどういう場合にあたるのか、私たち実務家も、真摯に、「介護の現実」と向き合いじっくり考えていく必要があるのではないか、

 

私たちはそう思っています。

 

 

 

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2015.09.14

「遺贈」をする際の注意点 ~遺言書を作成したら弁護士に内容を確認してもらいましょう~

 遺贈」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか。

 

 

「相続」でもなければ、「贈与」でもない。「遺贈」です。

 

 

 

「相続」は、被相続人の財産を相続人が引き継ぐものです。「贈与」と異なる最大の利点でまた皆様が最大の関心を有されるのが、「税金」ではないでしょうか。

 

贈与の場合にかかる「贈与税」よりも、「相続税」の方が税率が低くなっています。また法定控除の金額も異なります。

 

 

このため、父親から不動産を譲り受けたいけれども、父親の生前に贈与を受ければ贈与税が高額になるため、相続まで待つという判断をする場合もあります。

 

 

「贈与」は、推定相続人以外の人にも財産を譲ることができますが、ただ、税率は相続税より高くなります。

 

 

相続人以外の人に自分の死後、自分の財産を譲ると言う時に使うのが「遺贈」となります。

 

 

例えば長男のお嫁さんがよく面倒をみてくれたので、このお嫁さんに、自分が亡くなった時には自分の財産を少しあげたいと思ったとき、この「遺贈」が使われます。

 

 

「遺贈」は、贈与よりも発生する税金が安くすむため、相続人以外の方の財産を譲りたい時には、なかなかお勧めのものと言えます

 

 

ただ、遺贈は、遺言書で行うことになるので、一つ注意していただきたいことがあります。

 

 

もし遺言書の記載に不備があった場合、遺言書の効力が発生するのは被相続人、つまり遺言者が亡くなられた後ですので、その不備を訂正できる人は、この時すでにこの世にはいないということになってしまいます。

 

 

つまり、税金の対策のために「贈与」ではない「遺贈」をしたものの、その遺言書に不備があり「遺贈」が認められなくなれば、もうどうしようもないということなのです。

 

 

 

これが遺言書の怖さです。

 

 

 

このような事態を防ぐために、遺言書を作成される際には、弁護士にご相談いただくことをお勧めします

 

 

 

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2015.08.21

家族が認知症と診断されたら

認知症の方の介護をしたことがある人の話を聞く機会がありました。

症状が悪化し、施設に入所するまで自宅で家族とどのように暮らしていたのか、

それは、実際に経験した人でないとわからないものでした。

ご本人を支える家族の負担は、相当のものです。介護に疲れて、

家族が体調を崩すこともあると思います。


認知症の方には、法律では成年後見制度を利用していただくことで、

財産管理の点では安心して過ごすことができると思います。


昨今では、成年後見人になった弁護士による横領事件が発生し、

成年後見制度や弁護士への信頼が揺らいているように思いますが、

成年後見制度は、財産管理に不安を感じるようになったかたにとっては、

有益な制度だと思います。


弁護士に立場から、認知症の家族を抱えたかたのためにできることは限られているかもし

れませんが、お困りの際には、一度、ご相談下さい。


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2015.06.12

成年後見制度って?

認知症の方など,精神障害によりご自身で物事の判断ができない方のために,成年後見制度があります。

成年後見制度には,その方の判断能力の状態により,次の3つのパターンがあります。

①「事理を弁識する能力(判断能力)を欠く常況にある者」→成年後見
②「事理を弁識する能力が著しく不十分である者」→保佐

③「事理を弁識する能力が不十分である者」→補助

たとえば,①の成年後見の場合,ご本人(成年被後見人)のために「成年後見人」が選任されます。
成年後見人には,本人の財産を管理する権限や,本人の代理人として施設との契約や年金などの手続をする権限があります。

また,成年後見人には,本人が結んだ契約を後から取り消す権限もあります(日用品の購入などは取り消せません)。

②の保佐の場合や,③の補助の場合は,①の成年後見の場合よりもご本人の判断能力が残っていますので,

保佐人」や「補助人」の権限は「成年後見人」よりも小さく,ご本人の意思がより尊重されるようになっています。

いずれのパターンについても,裁判所に申し立てて,審査を受ける必要があります。

裁判所への申立ては,ご本人のほか,配偶者(夫・妻),4親等内の親族(親・子・孫・きょうだい・おい・めい・いとこなど)などもすることができます。

また,「成年後見人」「保佐人」「補助人」の候補者については,申立てをする人が自分で候補者になったり,家族や弁護士などの候補者を探してくることもできます。
ただし,裁判所の審査の結果,別の人(弁護士や社会福祉士などの専門家)が選ばれる場合もあります。

候補者の心当たりがなければ,最初から裁判所に一任することもできます。

成年後見制度に興味がおありの方は,一度弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

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2015.04.09

家族が認知症になりました

ご家族が認知症になり,ご自身で物事の判断ができなくなることがあります。

悪質な訪問販売にひっかかったり,不要な物を買ってしまったりすると,大切な財産が減ってしまうので困りますね。

認知症の方など,物事の判断能力がなくなってしまった方については,家庭裁判所に申し立てて,

成年後見人を選任してもらうことができます。

そうすると,成年後見人がご本人に代わって,ご本人の財産を管理したり,ご本人を代理して契約や年金などの手続をすることができます。

また,例えばご本人が間違って不要な物を買ってしまっても,成年後見人が取り消すことができます。

認知症のご家族がいらっしゃる方は,成年後見の申立てについて一度弁護士にご相談されるとよいかもしれません。

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