りんどう法律事務所のブログ

2015.11.24

ドラマ「遺産争族」第5話を観ました。 ~ 危急時遺言って??? ~

ドラマ『遺産争族』第5話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「遺産争族」第5話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

会長が・・・もしや・・・と思いましたが、まずは落ち着かれた様でなによりでした。

 

 

しかし、持病もありますし、依頼を受けている弁護士は「危急時遺言」を作成することにしました。

 

 

 

危急時遺言とは、民法976条に定めのある「特別の方式」による遺言です。

 

民法976条第1項は以下の通り定めています。

 

①疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは

②証人3人以上の立会をもって、

③その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。

④この場合、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これを署名し、印を押さなければならない。

 

この条件を、ドラマにあてはめてみたいと思います。

 

 

会長は、

 

①について

 

あの時点で「死亡の危急に迫って」いると言えなくもない状態でした。実務では、この「死亡の危急に迫って」いたかどうかの判断は、主治医の意見を参考にしながらすることになるかと思います。

 

②について

 

証人として、弁護士と医師2人の計3人が立ち会いました。実務でも、状況が状況ですので、後日に遺言能力等が問題とならないよう医師が立ち会いすることが多いと言えます。

 

③について

 

会長が遺言の内容を口で説明していました。ドラマではビデオ撮影もしていましたが、このビデオ撮影自体は必要要件ではありません。ただ、後日に遺言能力等が争われないためにも、また遺言内容自体が争われないためにも、あのようにビデオ撮影等をしておくといいでしょう。

 

④について

 

弁護士が筆記し、その内容を証人である医師2人に確認してもらっていました。

 

 

こんな形で会長の遺言書は完成いたしました。

 

 

 

会長の遺言書は、推定相続人間で揉めないよう、内容までは明かされなかったものの、「みんなが揉めない内容にした」という会長の言葉に安堵する一同。

 

 

しかし、まー君が、病室を盗聴していたことから、遺言書の内容が明らかに・・・。

 

ちょっと、まー君。盗聴はいけません。だいたい盗聴したからって、その遺言内容が覆るわけではありませんし・・・。会長が生きている間も揉めてしまうという結果を導くだけです。

 

実際、またまた騒動を引き起こします。

 

 

会長の遺言内容は、

 

海外で活動する医療団体に寄付する。その寄付先を決めるのは、育生。という内容。

 

 

 

この内容を聞いた、推定相続人は、やはり揉めに揉めます。

 

「育生が全ての遺産を好きにできるも同然」という声もありました。

 

 

実際のところ、医療団体に寄付するという内容なので、育生が好きにできるわけではないのですが・・・。

 

長女、二女、三女は「何もかも失う」と絶望状態。

 

 

 

でも、そうとは限りません。

 

 

まー君の言う通り、会長が作った危急時遺言は、あくまで「危急時」のみの場合に認められた遺言です。

 

「遺言者が普通の方式によって遺言することができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、その効力を生じない」(民法983条)のです。

 

なので、会長が元気になって6ヶ月過ごすことができれば、この遺言書は効力を生じません。

 

家族として、遺言書どうこうはともかく、なにより会長には元気になって欲しいところですし、長女たちも父親の体調の回復を願って欲しいところです。

 

とはいえ、会長の意思は固そうですので、元気になって6ヶ月過ぎたところで、その気持ちが変わらなければ、普通の遺言書で同内容が作られる可能性は十分高いといえます。

 

 

もし、会長に万が一のことがあったり、または元気になってから同内容の遺言書を作成した場合には、どうなるのでしょうか。

 

 

その場合には、民法では遺留分制度があります。

 

なので、長女たちは、それぞれの法定相続分の2分の1は、それぞれ取得することが可能と言えます。

 

 

会長の財産を考えれば、それでもかなりのものになると思うのですが・・・。

 

 

 

でも、「全部を山分け」と思っていた3人からすれば、「ほとんどなくなる」というのと同じなのでしょうか。

 

 

この辺りが、相続の根の深いところだったりするものです。

 

 

 

さてさて、物語は本当に泥沼状態。

 

 

育生はどんな決断をするのでしょうか。次回を楽しみにしています。

 

 

 

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