りんどう法律事務所のブログ

2015.04.30

お子様がいるご家庭にとって大きな判決が出ました。 Part2.

このブログで平成27年4月27日に記載した親の賠償責任についての記事の続きです。

 

事案の概要をおさらいすると、

 

 

小学生が学校の校庭で遊んでいたところ、その子が蹴ったボールが校庭の外を出て道路へ飛んでいき、その道路をオートバイを乗って通っていた方が飛んできたボールを避けようとしたところ転倒。男性は怪我をして入院し、1年4か月後肺炎で死亡したという事件でした。

 

 

 

民法714条は、

民法712条によって「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定めています。

 

 

つまり、民法714条は、責任能力がない未成年者によって不法行為がなされたとき、その責任無能力者を監督する義務のある者等が、被害者に対して賠償責任を負うとしているのです。

 

そこで、この事件でも、親の責任が問題となったのでした

 

 

民法714条は、本文の後ろに、「ただし」として、

「監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りではない」と定めており、

 

監督義務者(この事件の場合は、親)が、監督を怠っていないことや、監督上の過失と被害との間に因果関係がないことなどを主張、立証することにより、親の責任を否定できるとも定めています。

 

しかし、この「監督を怠っていない」という立証は、なかなか難しいものなのです。この監督とは、責任無能力者(この事件の場合は、小学生である子)の生活全般について身上監護、教育義務全般を指していると考えられているので、監督義務を尽くしていましたという立証は難しいのです。

 

 

このようなこともあり、昨今は、責任無能力者を監督する義務のある者への損害賠償責任が広く認められていたという傾向もありました。

 

 

それに一石を投じたのが本件の最高裁判決とも言えるのです。

 

本件で、最高裁は、「親に予見可能性がなければ、責任は負わない」と判断したことから、今後、同種同様の事件では、予見可能性の有無も争点になるものと思われます。

 

 

 

そして、これは、比較的幼い未成年者がいるご家庭のみの問題ではありません。

 

民法713条は、「精神上の障害にあり自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない」と定めており、

 

民法714条は、この民法713条によって責任を負わない者の監督義務者にも、被害者への賠償責任を課しています。

 

 

つまり、未成年者のみならず、精神障害のある成人がおられるご家庭にとっても重要な法律なのです。

 

 

認知症の方が増えてきている昨今、今回の最高裁判決は、今後重要な判断基準の一つとなるものと思われます。

 

 

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