りんどう法律事務所のブログ

2017.05.29

遺言書の検認、この手続きをご存じですか?

遺言書の検認という制度をご存知でしょうか?

 

 

自筆証書遺言や秘密証書遺言等が作成されている場合、その遺言書の保管者は、相続の開始をしった後、家庭裁判所に対して、遺言書の検認の申立てをしなければなりません(民法1004条)。

 

 

 

この検認制度は、

遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定しその現状を明確にするものです。

 

つまり、その遺言書が有効か無効かを判断するものではありません。

 

 

有効、無効が決まるわけではないのなら、別のこの検認の申立は不要では?と思われる方もおられるかもしれませんが、

 

遺言書に書かれた内容通りの不動産移転登記やその他手続きをしようとすれば、通常、検認を受けた遺言書が必要となります。

 

 

 

また、「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会がなければ、開封することができない」(1004条3項)ことからも、

 

検認手続内以外での開封は基本的にできません。

 

 

したがって、自筆証書遺言書や秘密証書遺言等を保管していた方、また被相続人の死後、これら遺言書を発見していた方は、遺言書検認の手続を忘れることのないようにご注意ください。

 

 

なお、遺言書の検認申立をせず、遺言の内容を執行したり、裁判所手続外で開封をした場合、5万円以下の過料の処分を受けるおそれもあります(民法1005条)。

 

 

因みに、公正証書遺言では、この検認の手続きは不要です(民法1004条2項)。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2017.05.22

「私は専業主婦です。子どもの親権は取得できませんか?」

私は、専業主婦で、収入がありません。私が子供の親権を取得するのは難しいのでしょうか

 

 

こういうご質問を頂くことがあります。

 

 

結論を先に申し上げると、「そんなことはありません」。

 

 

 

未成年のお子様がおられるご夫婦の離婚の場合、離婚するにあたってはお子様の親権者を父母のどちらにするのかを決定しなければなりません。

 

 

父母双方が親権取得を希望した場合、どちらが親権者として妥当かという観点からの検討が必要となります。

 

 

「毎日仕事に出ている父親は、子どもの面倒をみられないから、親権者としてふさわしくない」

 

ということもなければ、

 

「仕事をしていない妻には収入がない。子どもの養育にはお金が必要。無職の妻は親権者としてふさわしくない」

 

ということにもなりません。

 

 

もっとも、仕事をしている親としても、仕事と子育てをどう両立させていくのかの検討は必要でしょうし、

 

仕事をしていない親としても、子どもの養育にはお金がかかるのは確かなので、ずっと無職で過ごすというのも、現実的には厳しく、何かしらの仕事をするように就職活動等は検討する必要がある場合があります。

 

 

大事なのは、「無職だから親権者としてふさわしくない」とか「仕事で忙しいから親権者としてふさわしくない」とかのみで、いずれか親権者になるのがふさわしいかを考えるわけではないということです。

 

 

専業主婦であったしても、離婚をすれば、必要で可能であるなら、就労も検討することになるでしょう。それは、子どもがいようといまいと一緒のことです。

 

 

そして、仕事をしながらどう子育てをしていくか。これまで子育てをメインにしてきたのは父母のどちらか。今後子育てをメインに行うのに、どちらが適当か。

 

様々な事情を考慮して、親権者としてどちらがふさわしいかを検討していただくことが必要なのです。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

 

2017.05.19

大阪家庭裁判所での「ガイダンス」、受けましたか?

大阪家庭裁判所で離婚の調停をされた方、ガイダンス」を受けられたでしょうか?

 

最近始まった制度なのですが、

 

離婚調停等の当事者間に未成年者がいる場合、裁判所から案内が送られてきます。

 

 

離婚を考える当事者の方に、「子どものためにこんなことも考えてね」という家庭裁判所が思うことを伝え、当事者の方に考えていただくことを目的にしているようです。

 

子どもがいる案件では、そうでない案件と異なり、「子ども」というある意味の当事者がいるのは事実です。しかし、離婚の調停では、その子どもが当事者として協議に入ることはなく、夫婦での協議が進みます。

 

中には、感情的になるケースもありますし、お互いに子どもが大切であることに変わりはなくても、子どもを通して紛争が激化することもあります。

 

家庭裁判所も調停の進め方などを工夫しているようですが、このガイダンスもその一環なのでしょう。

 

 

もちろん、ガイダンスで話すことができるのは、あくまで一般論を前提にしたことではあるでしょう。

 

ただ、調停手続がいよいよ始まるとなっても、その手続きにイメージを持てない方も多くおられます。「人生で初めて調停手続きを利用する」という方も多いのですから、それは当然です。

 

そんなときこそ、このガイダンスが効果を発揮するのかもしれません。

 

ガイダンスを受け、「調停ってこんなんなのか」「そういう視点もあったのね」なんて少しでも感じていただければ、大阪家庭裁判所としてもうれしいのではないでしょうか。

 

 

皆様、日々を忙しくお過ごしの中、平日の調停期日への出廷の他に、このようなガイダンスを受けるというのはなかなか大変かもしれません。

 

でも、大阪家庭裁判所が、いろいろな案件を見てきた結果、子どもたちのためにこんな制度を作ってみようと考えたものなのです。

 

いわば調停手続きの「プロ」の思いが詰まっているのは確かだとも思いますので、機会が許されるのであれば、ガイダンスのご案内が届いた方は、その参加をご検討されてはいかがでしょうか。

 

 

りんどう法律事務所

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2017.05.16

きらきら大学生

弁護士の仕事といえば、もちろん、交渉事や訴訟、調停での代理人としての活動があります。そのために、打ち合わせをしたり書面を作成したり。

 

もちろん法律相談の対応もしています。

 

でも、実は、それ以外にもいろいろあったりします。

 

最近は、大学で講義をしています。

大きい教室にあふれる大学生たちと対面すると、一瞬「自分が講師で大丈夫か」などと思ってしまいます。

 

少人数の講義であれば、受講生の表情を見ながら「ここの説明はわかりにくかったようだな、もうちょっとしっかり説明しなければ」などと感じながら講義を進めることができていましたが、

 

大人数となると、やはり想像以上の難しさ・・・。

さすがに人数が膨らむと、一人一人の表情を確認しながら進めることは難しいですし、中には、仕方なく講義を受けている方もおられるでしょう。

法律に興味を持って入学した人にも、そうでない人にでも、せめて、法律っておもしろいもんだなって思ってほしいなんて、おこがましい気持ちを抱いてしまったりします。

言いたいこと、伝えたいことは山ほどあって、でも、話し始めると時間は案外短いもので。

受講生の立場からは「もっときっちり説明してよね」「わかりやすく話してほしい」と思っていたことでしょう。

今後、もっと研鑽を積まなければ!と思った次第です。

 

 

それにしても、大学生で溢れかえる教室にいると、随分前のことで忘れていた大学生のころの自分を思い出しました。

 

講義を受けている大学生の中には、法学部が第一希望でなかった方もおられるでしょうし、

将来、法律を扱う仕事をする人もいれば、そうでない人もたくさんいるはずです。

講義の内容よりも、サークルをどうしようかなと考えている方も、もちろんいるでしょう。

 

一つの教室という限られた空間で一緒に過ごし、同じ講義を受けていても、これまでも、そして大学卒業後の生活もさまざま。なんだか不思議な気持ちになりました。

 

大学に行き、試験を受け、弁護士になり・・・。その都度都度で、それなりに考え人生を選択してきたつもりですが、

ただ、年を重ねると、選択肢がどんどん減っていくように感じることを否定できません。

 

そう思うと、まだまだ目の前に選択肢がいくつも広がる大学生が羨ましくも思ったりします(年甲斐もなく、お恥ずかしい限りです)。

そんな選択肢が無限にあるからなのか、久し振りにみる大学生たちはとてもキラキラしていました。

なんだかとってもキラキラしたたくさんの大学生をみながら、大学生という限られた立場の中で、たくさんの経験をつんでくれたらいいなと、母親の気持ちになったりもしました。

 

りんどう法律事務所

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2017.05.10

「相手の収入を知りません」

 離婚に関するご相談を受けていると、時折、

 

「夫の収入がどの程度が知らないのです」「夫がどれの程度貯金を持っているのか知りません」と言われる方がおられます。

 

 

夫婦によって事情は様々。夫婦が互いの収入や資産を知らないことケースもあります。

 

それで支障なく婚姻生活が送れているのならば、特に問題はありません。

 

 

しかし、離婚を考えるようになれば、相手の収入や資産を知らないのはあまり好ましい状況と言えません。

 

 

養育費をどの程度の金額にするのか、例えば慰謝料を請求するとしてどの程度の金額にするのか、財産分与としてどの程度請求できるのか。

 

 

これらは、相手方の収入や資産によってその金額が変わってくる可能性もあります。

 

 

養育費の金額を裁判所で決めるとなれば、子の父と母の収入がその判断の資料となります。

 

また慰謝料についても、例えば一括での支払ができるのかできないのか、分割払いとなってしまうのならどのような内容にするのかなども、相手の収入や資産によって考え方は変わってくる可能性があります。

 

財産分与は、婚姻中に形成した財産を分けましょうというものですから、相手方の収入や資産の把握が大事です。

 

 

離婚調停や離婚訴訟になれば、相手方にこれら資料を提出するよう求めることもできますし、もし相手方がこれに応じないのであれば、直接金融機関等に照会をかけることもできます。

 

しかし、照会をかけるにしても、金融機関名と支店名程度を特定する必要があります。

 

「夫(もしくは妻)はそれなりの収入があるはずだ、結構資産はあるはずだ」と言っても、具体的な金融機関名や支店名を明らかにしなければ、照会することもできなくなる可能性があります。

 

もし離婚等を検討されている方がおられましたら、相手方に離婚を切り出す前に弁護士に相談いただければと思います。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

 

続きを読む

2017.05.02

「介護」は特別な寄与?

このような場合、皆様はどう思われるでしょうか?

 

 

高齢のAさんには、子どもがBさん、Cさん、Dさんの3人います。Aさんは、この10年程、自分で寝食を行うことはできなくなっており、3人の子どものうちDさんが、Aさんと暮らし介護をしてきました。

 

Aさんにかかる療養費、生活費は、Aさんの受給している年金だけでは足りず、不足分はDさんとその妻の給料で賄っていました。

 

Aさんには認知症の症状もみられるようになり、やむを得ず、Dさん夫婦は仕事を辞めてAさんの介護に昼夜であたることになりました。AさんとDさん夫婦の生活費は、Dさん夫婦の貯金や退職金で賄いました。

 

Bさん、Cさんは、Aさんの介護にかかる費用について特に援助等をしたこともなく、お見舞いに訪れることはあっても介護を手伝うことはありませんでした。

 

しばらくして、Aさんは亡くなってしまいました。

 

 

もしAさんが遺言書を作成しており、その遺言書によりAさんの財産の多くがDさんに相続されるようになっておれば、遺留分等の問題がなければ、その遺言書通りのDさんが遺産を取得することになるでしょう。

 

この結論に、違和感を抱かない人は多いのではないでしょうか。

 

 

では、Aさんが遺言書を作成しないまま亡くなり、BさんやCさんが法定相続分通りの相続を主張した場合、どうなるでしょうか。

 

 

遺言書がなく、相続人の一人が法定相続分通りの相続を主張した場合、結果、法定相続分と同程度の内容での相続となる可能性が高まります。

 

 

この結果を、皆様はどう思われますか

 

 

 

最近、上述の事例のDさんの立場の方からのお話しを伺う機会が割と多くあります。

 

 

皆様、それはそれは様々なご苦労をされながら介護をされておられます。

 

長年にわたる介護で、ご自身の仕事のキャリアや収入に影響が出ている方、貯蓄が減少した方も多く、「親をきちんと見送ることができてよかった」と清々しく話される一方で、ご自身の老後を不安に感じると話される方もおられました。

 

 

個人的には、今の実務の、相続に関する紛争手続の中で、「介護をした」ということをきちんと評価し相続の割合に反映させる制度が整っているようには感じられないことも多くあります。

 

介護は、扶養義務ある者にとって当然のこと。そう表現されることもあります。

 

 

もちろん、子ですから、寝たきりの親に対して扶養義務は負っています。

 

そして、もちろん、相続財産をあてにして介護をしているわけではないでしょう(お金では解決しないようなご苦労も皆様されています)。

 

 

しかし、例えば、同等の扶養義務者が複数人いる場合、そのうちの一人が多くの負担を一人で行ってきたというケースで、「扶養義務ある者の介護は当然、このため遺産分割手続きにおいてその介護は考慮する必要がない」と評価して良いのでしょうか。

 

 

人にはそれぞれ事情があり、介護に加わりたくても加われない場合もあります。なので、無闇に、介護をした人は「すごい」、介護を手伝っていない人は相続財産を放棄すべきと考えるわけではありません。

 

「介護」とひとくくりに言っても、その態様、内容は様々です。

あくまでも相続という手続きの中での話に限りますが、この手続きの中で「特別な」評価をし難い場合もあります。

 

 

ただ、その介護の内容、態様によっては、もし、亡くなられた方にそれなりの相続財産があるのであれば、介護をした方のその「労力」を、相続手続きの中で相応に評価する方法があればよいのではないか、と思うことがあります。

 

 

現行の法律では、「寄与分」という制度があります。

 

被相続人の財産の増加もしくは維持に寄与(貢献)をした相続人に、寄与分というものを認め、相続手続きの中で、その寄与分は寄与した者の相続分とする制度です。

 

 

上述の事例の場合、この寄与分の主張をすることになる場合が多いですが、一方で、先ほど述べた「扶養義務者が介護するのは当たり前のこと」という考えも確かにその通りともいえますので、介護の内容や状況に則した寄与分が認められていると感じられることはあまりないかもしれません。

 

 

それでも、めげずにこれからも同じような事案があれば、積極的に寄与分の主張をしていきたいと思うのです。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

 

 

りんどう法律事務所

大阪市北区西天満3-13-18
島根ビルディング3階
06-6364-7778

ブログ内検索

カレンダー

«5月»
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31