りんどう法律事務所のブログ

2016.05.31

どちらが親権者に?何が重視されるの?

 お子様がいるご夫婦が離婚することになった場合、どちらがお子様の親権者になるのかを定める必要があります(民法819条1項、2項)。

 

もし、どちらが親権者になるのかについて当事者間の協議がまとまらなければ、家庭裁判所に審判を申し立てることになります。

 

 

その場合、家庭裁判所は、父母のどちらが親権者になるのが子の利益にとって望ましいのかという観点から、親権者を定めることになります。

 

 

その際の具体的な判断要素としては、

 

父母どちらでの監護体制が子にとって良いのかという点や、これまで父母のどちらが監護してきたのかという点、子供の意思や年齢等が上げられます。

 

 

 

一般的には、「母親優先の原則」というものがあるとも言われていますが、確かにその原則を考慮したと感じる審判もあれば、あまり考慮されなかったなと感じる審判もあります。

 

 

もし子供が乳幼児であれば、離婚前の育児状況も母親がメインで行っている事案が圧倒的に多く、その監護状況に鑑みれば、母親が優先となる可能性高いと思われます。

 

 

しかし、子供が成長をしていくと、各家庭によって育児への両親の関わり方も様々となり、必ずしも「母親優先の原則」に従い「母親が優先」となるわけではないように感じています。

 

 

大事なのは監護の状況なのではないでしょうか。

 

 

自他ともに認める「イクメン」が増えてきた昨今ですが、「イクメン」具合(つまり育児を担っている割合、範囲)などは人によって様々です。

 

 

「すごく育児に参加してきました」と話される男性の中には、確かにお子様との交流はしっかり持たれていても、お子様の食事、日常の世話をこなしているかどうかとなれば、「そこはあまり・・・」と言われる方もおられます。

 

 

休日にお子様と遊ぶことも、親としてすごく大切なことだと思いますが、裁判所はそれだけで「育児を夫に任せても大丈夫」とは考えません。

 

 

裁判所は、結局は、育児のみならず「家事」についての日ごろの関わり方も見ているように思うのです。

 

 

おむつ替えや子供の入浴、子供が成長すれば子供の習い事の送迎や勉強、休日には子どもと外出もするというお父様は、十数年前と比べて格段に増えたことと思います。そういう意味では「育児に積極的に関わっている」という男性はたくさんおられます。

 

 

でも、裁判所から、「では家族の食事は?洗濯は?掃除は?」などと質問されれば、「そこは妻がしていました」という回答をされる男性も多くおられます。

 

 

イクメンが増えてきたとはいえ、家事を主に担っているのは女性が多いようです。

 

 

実際の審判では、母親が親権者となるケースが多いように感じますが、これはこのような理由もあるのではないでしょうか。

 

 

もちろん、子供の年齢により、母親優先の原則を意識せざるを得ない事案もありますが、お子様が成長するにつれ、裁判所は、「母親か父親か」で判断しているのではなく、これまでの監護状況等(だれがどのようにして子に関わってきたか、今はだれと生活をしているのか)を重視していくように思います。

 

 

そして、お子様が高校生くらいになると、裁判所はお子様の意思も重視するようになります。

 

 

裁判所は、このように当事者の意思や実際の監護状況をきちんと調査しながら判断をしています。

 

 

「原則母親が親権者となる」と考えているわけではないのです。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

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2016.05.25

「婚氏続称の届け出」をしましたが、旧姓に戻したいのですが?

 結婚をするときに他方のパートナーの氏(姓)になった方が、離婚をすれば、原則として、氏(姓)は婚姻前の氏(姓)に戻ります(民法767条)。

 

 

しかし、もし、その方が、婚姻時の氏(姓)を名乗り続けたいという希望があれば、離婚の日から3か月以内に役所に「婚氏続称の届け出」をすることにより、その希望は叶います。

 

 

当事務所のご依頼者様も、旧姓に戻される方もおられますし、この「婚氏続称の届け出」をされる方おられます。

 

婚氏続称をされる方の、その理由も様々です。

 

「何十年にわたり婚氏で仕事をしてきたので、氏が旧姓に戻ると仕事がし難くなる」という方もおられれば、「子どもと一緒の姓でいたいが、学校に通っている子どもが姓を変えたくないと言っているから」という方もおられます。

 

 

ところで、離婚後も婚氏続称をしていたたが、婚氏続称する理由もなくなったので、旧姓に戻したいという場合、どうなるのでしょうか。

 

例えば、お子様の生活に合わせて婚氏続称してこられた方の場合、お子様が独立された後、旧姓に戻したいというご希望を持たれる方もおられます。

 

 

法は、「やむを得ない事由」があるときは「氏の変更」を認めているので、「氏の変更の申立」を家庭裁判所に行うことになります

 

 

もっとも、これまで「やむを得ない事由」にあたるかどうかについての判断は、厳格になされるべきとするのが一般的でした。

 

 

それは、「氏」が人を特定するにおいて重要な役割を担っているからです。

 

 

 

しかし、大阪高裁平成3年9月4日決定は、離婚時に婚氏続称をした方が、その後旧姓(婚姻前の氏)への変更を求めた事案で、「やむを得ない事由」の有無の判断は、一般の氏の変更の場合ほどは厳格に解する必要はないと判断しています。

 

つまり、氏の変更には、「やむを得ない事由」が必要ですが、婚氏続称をやめる場合(婚姻前の姓に戻る場合)には、それ以外の場合に比べて、少し緩やかな判断がなされる可能性がある(つまり認められやすくなる)ということです。

 

 

離婚後15年以上、婚姻の際の氏を称していたという事案で、東京高決定平成26年10月2日は、

 

①離婚後15年以上、婚姻中の氏を称してきたのであるから、その氏は社会的に定着しているものと認められる、としつつ、

②申立人が婚氏続称をした理由は、当時9歳の長男が学生であったためであるところ、その長男が大学を卒業したこと

③自分の両親(両親の姓は、申立人の旧姓)と同居し、両親とともに、旧姓の屋号で近所付き合いを9年ほどしていること

④申立人には妹が二人いるが、二人とも婚姻をしており、申立人が両親を継ぐと認識されていること

⑤申立人の長男が、申立人が旧姓に戻ることについて了承をしていること

 

という事情に鑑みて、「やむを得ない事由」にあたるとして氏の変更を認めました。

 

 

 

 

婚姻により氏が変わった方は、様々ことに悩み、真剣に考え、そして氏をどうするかを決断されますが、それでも、やはり様々な負担がある場合があります。

 

 

そういう方にとって、一つのいい決定が出たのではないかと、個人的には思います。

 

 

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2016.05.23

ドラマ「グッドパートナー」第5話を観ました。~セクハラは、弁護士と一緒に戦いましょう~

ドラマ『グッドパートナー』第5話を観ました。

 

【ネタバレがあります。ドラマ「グッドバートナー」第5話をご覧になっていない方はご注意ください。】

顧問先の桂総合病院の依頼でセクハラについての研修を行う咲坂先生。

そこでの事務長の様子が気になります。

 

聞けば、新人ナースが、病院きってのエース医師からセクハラ被害を受けたと申告しているとのこと。

 

事務長がナースから聞き取ったセクハラの内容は、

手を握る、体を密着、「二人で温泉に行こう」いきなりキスされそうになる。

 

これはセクハラですね。

 

事務長によれば、これまでもこのようなケースは何度もあり、そして今まではナースが辞めて行ったそう。

 

 

夏目先生も加わり調査に乗り出す神宮寺法律事務所のメンバー。

 

夏目先生がさらに聞き通った被害者の話では、エース医師のセクハラはかなり深刻な程度。

 

さらに、過去に被害にあったナースたちに話を聞くうちに、このエース医師の行いをこのまま見逃すわけにはいかないと判断します。

 

しかし、セクハラ事件の難しさは、「ハラスメント」であることの証拠です。

 

セクハラの中には、パワハラと言えるものも多く含まれており、つまり、上下の圧倒的なパワーバランスの違いの下で被害が発生していることも多くあるのです。

 

そんな状況で、証拠を集めることはなかなか難しいといえます。

 

実際、一人の女性がセクハラを訴えても、周りの人が会社側、上司側についている状況の中では、その訴えを基礎づける証拠収取は難しく、そして主張を続ける気持ちもどんどん失われてしまいます。

 

結果、被害者側が辞めて、会社側としては「問題解決」としてしまうこともないわけではありません。

 

そういうセクハラ問題をなんと解決させるため夏目先生がとった行動は、一人一人のナースと話しをすること。

 

そして、夏目弁護士はナース一人一人から話を聞き、全員の退職願いを預かります。

 

結果、エース医師は、被害にあったナースに謝罪をし(謝罪といえるのか・・・)、辞職することに。

 

 

今回のドラマ、夏目弁護士の活躍がメインでしたが、個人的には、事務長のあの勇気ある声が、事件解決を導いたのだと思います。となれば、事務長にあのような勇気を与えた咲坂弁護士の活躍も、やっぱり相当なものだと思います。

 

様々な力の差の中でなされるセクシャルハラスメント。それを容認する企業側。そんな企業を相手に声を出すというのは、ただでさえセクハラ被害で悩んでいる人にとっては大きなストレスでもあるはずです。

 

だからこそ、このような案件では、弁護士は、その人の話にしっかり耳を傾き、そして最後までその人とともに歩む強い覚悟が必要です一人では、精神的にきついことだって、私たち弁護士とともにチームを作る、そうすればできることはぐっと増えるはず。

 

そう信じてこの仕事をしていたりします。

 

 

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2016.05.16

ドラマ「グッドパートナー」第4話を観ました ~弁護士として話?人としての話?~

ドラマ『グッドパートナー』第4話を観ました。

 

今回は、少し前に実際に報道された事案を彷彿させる内容です。

 

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「グッドパートナー」第4話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

ビジネスシューズ一本で成長した鳥飼シューズ株式会社。今は、会長である父親と社長である息子が、その経営方針で揉めています。

 

息子である社長は咲坂弁護士に「会長を解任する。会社から出て行ってもらう。」と方針を説明。一方、父親である会長は、ボス弁に「自分が社長に戻る」と言います。

 

どこかの家具小売業の会社であった話に似ていますね。

 

神宮寺法律事務所は、会長が社長の時代からの顧問事務所。ボス弁は、会長との付き合いも長く、社長についても子供時代からよく知っているということで、この状況を改善させようと悩んでいます。このため、ボス弁は、「この親子を仲直りをさせろ」と咲坂先生に指示。

 

咲坂弁護士は両社の言い分を汲んだ和解案を作成しますが、会長も社長もこれを拒否。

 

ついには、社長から顧問弁護士を解任された神宮寺法律事務所。

 

それでも、やっぱり解決したい咲坂弁護士は、会長の代理人になる弁護士を神宮寺法律事務所側が用意し、会長の見方となって社長と戦うことという作戦を考えます。(神宮寺法律事務所が会長の代理人になることは、「利益相反」にあたり弁護士法で禁止されています。

 

同社の44%の株を占める個人投資家を見方につけようと、会長の記者会見を設けることにし、そのリハーサルを神宮寺事務所の全員の協力で行うことに。

 

会長が記者会見をすること、そのリハーサルをしていることを聞き付けた社長は、こっそり会場の傍で会長の話を聞きます。

 

咲坂弁護士が用意した記者からの想定問答に応える会長は、その質問に戸惑い怒りながら、ついには真意を話します。

 

「あいつ(息子)が、この会社をぶっ壊すと言った、私が血のにじむ思いをして作った会社を、簡単に壊すとは言ってほしくない」。

 

咲坂弁護士の作った想定問答は、これまで息子と話をしてこなかった会長にも責任があるのではと、会長にじりじり迫ります。

 

咲坂弁護士は、会社のために何が大切かを考えるように、そして親子として何が大切かを伝えたかったのです。

 

会場の外でこの模様を聞いていた社長も、会場に入り、会長の前で自分の本音を話します、

 

「父親のようにはできないという不安があった」。そして、「自分にも意地があったのだ」と。

 

会長の本音を知った社長は、咲坂弁護士の和解案を受け入れることにしましたが、息子の本音を知った会長は、自分が退任することを決意。

 

息子を信じ、ついに覚悟を決めたのでしょう。

 

親子だから難しいこともあります。

 

でも、そこはやっぱり話し合いによる解決しかないのかもしれませんね。

 

お互いの気持ちをきちんと話すことができれば、親子だからこそできる「仲直り」もあるはずだ、と実際にも思うことはたくさんあります。

 

 

咲坂弁護士はそこを伝えたかったのでしょうね。

 

 

咲坂弁護士は、いつも人として話をするとき、弁護士バッチを外します。あれはあれで、「何を話すのだろう」と依頼者や相手方が耳を傾けてくれるきっかけにもなるのかもしれませんね。

 

ただ、弁護士は、いつも「弁護士」という立場だけで物事を考えるわけではありません。

 

まずは「人としてこの問題をどう思うか、どう感じるのか」は大切にします。そこに法律を使って解決していく、それが弁護士の仕事だと思うのです。

 

咲坂弁護士は、だからこそこの親子喧嘩を解決したかったのだと思います。

 

 

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2016.05.13

相談した弁護士とご自身の考えが異なる場合・・・。

ご相談に来られた方と、私たちの考えが異なる場合、弁護士として悩むことがたくさんあります。


相談者様のおっしゃっていることやお気持ちは、本当によくわかるのです。

ただ、私たちの経験上の考えとは異なることがあります。

そういう時、しばらくの間、色々と悩んでしまいます。


私たちにできることはなんだろう。毎日思います。

お悩みを聞く、このことが少しでも相談に来られた方のお役に立てるのであれば、そうしたいのです。

ただ、法律事務所に相談に来てくださった以上、お悩みを聞くことの他に私たちがしなければならないことはないのか。

私たちにできることはなんだろう。

色々考えると、やはり、私たちがこれまでの事案から学んだ、知識や経験を役立てることではないか。この考えるに至ります。

でも、法律相談に来られた方にとって、30分という時間で、お悩みを話し、その上で、早口で知識や経験を弁護士から話されても、その知識、経験に納得できないこともあるのではないか。

そう自問自答します。


その思いから、当事務所では、離婚等のご相談時間を原則1時間とさせていただいております。

役所や弁護士会で行われている法律相談は、概ね相談時間が30分ですが、30分では、事案の概要をつかみ依頼者のお気持ちを実感することは困難なことも多くあります。

せめて1時間、顔を合わせながらお話しができれば、もっとお互いに事情の把握ができ、そして議論できるのではないか。そう願ってのことです。


それでもやっぱり、ご相談者様と弁護士の意見が異なることもあるかもしれません

ご相談者様にとっても、ご自身の大事な事案。そう簡単にお考えを譲ることはできないことは、もちろんあるはずです。

一方、弁護士としても、ご相談者様の事案を踏まえた上で、できるだけこの法律相談を有意義なものにしていただきたいという強い思いがあります。

どうしたら良いのか、どうすべきなのか。

難しいです。


ただ、相談者様の立場から考えれば、他の弁護士に相談をしてみるということで、異なる光が見えてくるかもしれません。

法律相談の仕方、事案の進め方は、弁護士により様々です。

もし相談した弁護士の考えや説明に納得ができなければ、「他の弁護士に相談する」ことも視野に入れていただきたいのです。

ですので、もしお困りのことがありましたら、「複数の弁護士に相談することになるかもしれない」という時間的余裕を持った状態で、ご相談に行っていただきたいと思います。


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2016.05.10

ドラマ「グッドパートナー」第3話を観ました。 親権者について再度協議するという条項ってあり?

ドラマ「グッドパートナー」第3話を観ました。

 

残念ながら第2話は観ることができず・・・。今回は、第3話について書かせていただきます。

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「グッドパートナー」第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

猫田弁護士の顧問先・ヒューガクラウドは、株式上場を目指していますが、最近取引先のサンデーメディアサービスが暴力団関係企業であることが発覚。

 

このままでは株式上場のための審査が通らない可能性があるため、ヒューガクラウドは、猫田弁護士に、サンデーメディアサービスとの契約を解除してほしいと依頼。

 

ヒューガクラウドとサンデーメディアサービスとの間の契約書には、「反社会的勢力排除の条項」があり、仮に、一方当事者が反社会的勢力と関係があることが明らかとなれば、同契約は解除できる旨の定めがありますが、

 

問題はサンデーメディアサービスが暴力団関係企業であることを立証できるのかどうか。

 

最近は各種契約書にこの「反社会的勢力排除の条項」を入れることが多くなりました。当事務所でご依頼により作成させていただく契約書にも入れるようにしています。賃貸借契約書等にも定められているケースが多く、よくみかける条項になりつつあります。

 

さて、困った猫田弁護士は、咲坂弁護士に応援を要請。といえども、咲坂弁護士がそう簡単に引き受けないことを知っている猫田弁護士は、咲坂弁護士が自分の子ども・みずきちゃんの親権問題で危機感を抱いていることを利用し、「家庭裁判所調査官をやっていた知り合いを紹介する」と約束して、咲坂弁護士の協力を獲得します。

 

 

少し話が逸れますが、咲坂弁護士と夏目弁護士は、離婚の際に、みずきちゃんの小学校卒業時に再度親権者について協議する約束をしていたそうです。

 

 

この約束、個人的にはかなり驚いてしまいました。咲坂弁護士たちのこの取り決めは、余程、相手に対して信頼を抱いていないとできないことです。

 

実際、仮に咲坂弁護士たちのような定めをしていたとしても、もし子ども小学校卒業時に、一方当事者から協議を求めても、現親権者がこれに応じなければ、戸籍上、親権者は現親権者のままとなります。

 

これを変更させようとすれば、裁判所に対して親権者変更の申立をすることになるでしょうが、これも「当事者間では小学校卒業時に再度協議するという約束があった」と主張するだけでは、裁判所は親権者変更を認めないのではないでしょうか。

 

あくまでも「協議する」だけの約束であって、親権者を変更する約束でもないですし、一度決まった親権者を変更させるのは、容易なことではないことが多いのです。

 

離婚当時も人として信頼できる相手であっても、離婚後のそれぞれの環境の変化とともに、離婚後の「協議」の約束が守られなくなるケースはあったりします。

 

咲坂弁護士と夏目弁護士は、離婚するときでさえ良好な関係であり、それぞれを信頼していたということの表れではないかと思うのです。一緒の職場で働き続けることができるわけですね。

 

(とはいえ、実務で、いくら相手を信頼していても、咲坂弁護士たちのような取り決めはお勧めできません

 

さて、話をドラマに戻します。

 

猫田弁護士らは、ヒューガクラウドの「経営判断」を理由に、サンデーメディアサービスに解約の申し入れを行いますが、相手は応じません。

 

咲坂弁護士が、10年前の雑誌の記事を示して同社が暴力団関係企業であると主張しますが、サンデーメディアサービス側はこれを明確には認めません。

 

そんな中、神宮寺法律事務所に、みずきちゃんを隠し撮りした写真が送られてきました。サンデーメディアサービス側からの嫌がらせと思われるその写真。

 

神宮寺法律事務所一同は、頭を抱えます。

 

そんな状況で、咲坂弁護士が考えた一手は、ボス弁の一言にヒントを得たもの。

 

咲坂弁護士は、顧問会社に「ネットショッピング事業」から撤退を提案するのです。

 

サンデーメディアサービスは、ヒューガクラウドのネットショッピングに関する映像等を作成する業務を請け負っていたため、同事業からの撤退は、すなわちサンデーメディアサービスの仕事がなくなることを示します。ネットショッピング事業からの収益が25%を占める同社では、まさに痛みを伴うものですが・・・

 

「清廉な会社」こそが大事だ、収益はこれからでも目指していけるという咲坂弁護士の話に、ヒューガクラウドの社長は決心。

 

覚悟を決めたこの解約申入れに対して、サンデーメディアサービス側も「今後はヒューガクラウドからは利益は見込めない」と判断し、解約申入れに応じることに。

 

無事解決となりました。

 

 

 

それにしても、みずきちゃんと食事をした夏目弁護士が、みずきちゃんが眠り、咲坂弁護士が帰宅した後、咲坂家から帰るシーン。なんだかとても切なかったです。

 

 

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2016.05.09

「自庁処理」って? どんな場合に認められるの?

先日、当ブログで、離婚調停や遺産分割調停を申し立てる際、原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して調停申立をしなければならないということを記載しました。

 

 

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所と、自分の住所地を管轄する家庭裁判所が異なる場合、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる必要があります。

 

 

仮に、自分の住所地を管轄する家庭裁判所に調停申立をした場合、家庭裁判所は、原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に「移送」することになります(家事事件手続法9条1項)。

 

 

もっとも、この家事事件手続き法9条1項は、この本文に続き、「ただし」として、

「家庭裁判所は、事件を処理するために特に必要があると認めるときは」、「職権で」、「自ら処理することができる」と定めています。管轄がない家庭裁判所が自ら処理することを「自庁処理」といいます。

 

 

この自庁処理が認められれば、申立人側としてはとてもありがたいことですよね。

相手方が遠方に住んでいる場合、調停の期日の度に、その相手方の住んでいる場所を管轄する家庭裁判所まで出向かないといけなくなると、労力的にも経済的に負担となります。

 

 

そういう意味では、是非、この自庁処理を認めてほしいところですが・・・。

 

 

では、この自庁処理、どんな場合に認められるのかということが気になるところですが。

 

 

残念ながら、そう簡単に認められるものではなさそうです。

 

仙台高裁判所の平成26年11月28日の決定は、

「当該事件の事案の内容、当該事件が管轄権のない裁判所に申し立てられた経緯等を総合的に考慮」する旨述べています。

 

となると、重要なのは、

 

その「当該事件の事案の内容」や「当該事件が管轄権のない裁判所に申し立てられた経緯」がどのようなものであれば、自庁処理がなされる可能性があるのかということになりますが、

 

同決定は、

①調停の前提となる基本的な事実関係が、調停申立のなされた家庭裁判所管轄区域内で生じたものであったこと

②その後相手方が転居をしたため、調停申立なされた家庭裁判所の管轄ではなくなったこと

③今回申し立てられた調停の前に、すでに、相手方の申立により、今回調停申立のなされた家庭裁判所に、関連する調停事件(前件調停事件)が係属していたこと

④前件調停事件の調停期日には、当事者双方が出頭していたこと

⑤前件調停事件の席上での相手方の意見、希望に鑑み、申立人が今回の調停申立を行ったものであること

という事情の下では、管轄違いの調停申立事件であっても、自庁処理されるべきであると判断しました。

 

 

この決定は、具体的な事情を総合考慮した結果の判断ですので、上に挙げた事情の一部が同様の事件であっても、必ず自庁処理されるというものではないものと思われます。

 

 

このように見てくると、「自庁処理」を期待して、管轄のない家庭裁判所に調停を申し立てたとしても、自庁処理までの道のりは険しそうです。

 

 

やはりかなりの事情がない限りは、原則どおり、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に調停申立をすることを検討し、その上で、いかに遠方の裁判所への出廷の負担を減らすかを検討する方が良いと思われます。

 

 

なお、当事者の一方が遠方の場合、電話回線等を利用した調停手続きが認められておりますので、それを検討することになると思います。

 

*ただし、電話回線等を利用した調停手続きといえども、自宅の固定電話や携帯電話を利用して調停をするわけではないのでご注意ください。お近くの家庭裁判所や代理人事務所に出向いていただき、そこで電話による調停を行うことになります。

 

 

 

 

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2016.05.06

どこに調停を申し立てる?(相手の住所地が遠いから、こっちの近くで申立てる?)

離婚調停遺産分割調停は、どこに申立てをすればよいのでしょうか?

 

 

家事事件手続法245条1項は、

「家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する」

と定めています。

 

 

このため、まずは、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(相手方が大阪市内に住んでいるのであれば、大阪家庭裁判所)に申立をするのが一般的です。

 

 

では、相手方と申立人の住所地が遠く離れている場合(例えば、相手方は札幌市在住、申立人は福岡市在住とします)に、申立人が、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(先ほどの例では札幌家庭裁判所)ではなく、申立人の住所地を管轄する家庭裁判所(福岡家庭裁判所)に申し立てた場合、この調停手続きはどうなるのでしょうか。

 

 

このような場合について、家事事件手続法9条1項は

「裁判所は、家事事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立により又は職権で、これを管轄裁判所に移送する」

と定めています。

 

 

つまり、申立された家庭裁判所は、この事件は自分のところに管轄がないと認めた場合、管轄裁判所(例の場合であれば、札幌家庭裁判所)に移送することになります。

 

 

なので、相手方の住所地が遠いから面倒だなと考え、「一応、自分の近くの家庭裁判所に調停を申し立ててみよう」としても、結局は、「移送」されて、遠い相手方の住所地を管轄する家庭裁判所で処理されることになります。

 

 

それほど「管轄」というのは軽視できません。

 

 

となると、相手方が遠方の場合、調停申立は非常に億劫なものとなってしまいます。

 

 

が、現在は、「電話調停」等の手続きも認められております。

 

 

調停が係属している家庭裁判所が、一方当事者にとって遠方である場合、最寄りの家庭裁判所等で電話回線等を利用して行う方法です。

 

 

これが認められれば、調停の期日ごとに遠方に出向く必要はなくなりますので、調停を申し立てる方にとって、随分と色々な負担が軽減されるのではないでしょうか。

 

 

 

 

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2016.05.02

ドラマ「99.9%」を観ました。

ドラマ99.9%」第3話を観ました。

 

興味はあったのですが、なかなか観る機会がなく、ようやく3話にしてこのブログで触れることができます。

 

ネタバレがあります。まだドラマ「99.9%」第3話を観ていない人はご注意ください。】

 

 

今回の事件は、窃盗

吉田さんという女性が、勤務している会社の金庫から1000万円を盗んだという容疑で起訴されました。吉田さんの幼いころに離れ離れになった末期がんを患う母が、娘のために弁護を依頼。

 

まず事件の概要を整理しましょう。

 

①会社の金庫の暗証番号を知っていたのは、社長、専務そして経理をしていた吉田さん。金庫の暗証番号は社長がひと月に1回変更をします。変更した暗証番号を他の二人に知らせる際は、メモに4けたの数字を二つ書き、そのメモを他の二人に見せます。二つの数字を足したものが暗証番号となります。

 

②社長は大阪へ、専務は栃木へ出張に行く日、金庫にはお金(1000万円)がありました。

 

③社長と専務が出張から帰った翌朝、社長が金庫を開けたところ、金庫にお金がないことが発覚。事件発覚。

 

この状況で、警察、検察官が吉田さんを犯人と考えた根拠は以下のものだと思われます。

 

㋐金庫を開けられる3人のうち、吉田さん以外は出張に行っており、社長と専務が不在の間に金庫を開けられたのは吉田さんのみであること。

 

㋑吉田さんの鞄から1000万円が入っていた封筒が、自宅からは現金1000万円がみつかったこと。

 

㋒吉田さんの給与は月18万円程度であり、1000万円を貯めることは困難であると思われること。

 

 

状況的には、厳しいところですが・・・。

 

深山弁護士の調査で、吉田さんが2年ほど前から風俗の仕事をしていたこと、吉田さんがお金を貯めていたのは、お母さんと住む家を買いたかったからということが分かります。

 

これで、吉田さんが犯人ではと疑われる上述の㋒と、㋑のうち吉田さんの自宅に1000万円があった理由を潰すことができます。

 

また、深山弁護士は、被害者である会社に行き、金庫を実際に見たり、社長たちから話を聞くことができました。(これは、実際はなかなか難しいところですが。)そこで、先ほど記載した①の事実が分かります。

 

この時、社長から、金庫の暗証番号がかかれたメモを受け取ることもできました(実務であれば、検察側がすでに預かっている証拠だと思うのですが、なぜかまだ社長が持っていましたね)。

 

 

そんな中、吉田さんは、母親に会いたいという理由で、本来はやっていない罪を認めて早く外に出ることを希望します。

 

罪を認めて保釈をするか? 無罪を主張するか?非常に難しい選択となります。

 

しかし、果して罪を認めたら本当に早く外に出ることができるのか?やっていない罪を背負うことが果して本当に依頼者の利益になるのか?

 

依頼者の中には、裁判手続きやその後の影響など、初めて経験することばかりのなかでじっくり考えられない方ももちろんおられるはずです。弁護士だからこそ、色々な視点で考えること、説明できることがあると思うのです。それらをできる限りじっくり説明をすることも弁護人の仕事なのではないか、そう思うのです。

 

所長の言葉。さすが重みがありましたね。

 

迷った立花弁護士ですが、しっかり吉田さんに説明をし、そして公判では無罪を主張することに。

 

公判では、暗証番号を記載した社長のメモに書かれた数字には癖があり、社長以外の人は、実際には事件当時の暗証番号を分かっていなかったこと、社長が1000万円を使用したものと思われることを裁判官に印象づけることができました。

また、社長は、実際には出張に行っていなかったこと(つまり、事件当時金庫を開錠できたこと)も明らかとなります。

 

これで、吉田さんが疑われた理由の㋐を潰すこともできたのではないでしょうか。

 

判決言渡し日、吉田さんは見事無罪となりました。

 

判決言い渡し後、すぐに母親が入院している病院にかけつけた吉田さん。無事、親子の再会を果たすこともできました。

 

個人的には、「もう少し早く保釈請求できなかったのか?」「社長の証人尋問が終わった後に保釈請求をすれば、認められたのではないのかな?」なんて気になってしまいましたが、

 

吉田さんとお母さんが再会できたので、本当に良かったですね。

 

 

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